2014年11月27日木曜日

御影公会堂で演説会

 24日、総選挙へ向けた日本共産党演説会が、東灘区の御影公会堂で開かれました。

 宮本たけし前衆院議員・近畿ブロック比例候補と堀内照文同比例候補、つつい哲二朗兵庫1区候補が党の躍進・勝利を訴えました。私も5分間お話しました。

 宮本さんは「近畿ブロックで必ず堀内さんまで押し上げてください」と力説。
 安倍政権と対立軸のない野党とは違って「共産党はどんな問題でも対案を持った党」だとして、▽消費税増税ストップ、消費税に頼らない別の道▽「海外で戦争する国」づくり許さず、憲法9条の精神に立った外交戦略を――などの「5つの転換」を具体的に説明し、「安倍政権打倒のまたとないチャンス。真正面から対決してきた日本共産党をどうか伸ばしてください」と訴えました。

 堀内候補は「5歳と9歳の息子を持つ父親として見過ごせない」として、「海外で戦争する国」づくりを告発。「憲法9条を生かした外交こそ求められている」とのべ、「今度こそ。という思いでたたかい抜く。最後までのご支援を」と訴え、大きな拍手に包まれました。

 つつい候補は、甲南本通りにあった実家の和菓子屋が阪神・淡路大震災で被災し、お兄さんが継いだけど2年後の消費税増税のため廃業を余儀なくされたことをふり返り、「消費税増税は先送りでなく、きっぱり中止を」と主張。消費税に頼らない別の道(富裕層と大企業に応分の税負担、大企業の内部留保を一部活用し、国民の所得を増やす経済対策で税収増)を示し、「近畿比例4議席確保と、兵庫1区でも風穴を開けたい」と表明しました。

 私は、安倍政治は、国政のみならず地方政治にも深刻な悪影響を及ぼしていることを、アベノミクス第2の矢(財政出動つまり大型公共事業のバラマキ)を例に説明しました。
 安倍政権によるこの押しつけのため、全国でムダな公共事業計画が続々と復活しています。和歌山と淡路を結ぶ紀淡連絡道路とか。
 兵庫県はもともと大型事業が好きなことで有名な県ですので、押しつけのもとで必要性が疑われる高速道路網建設などムダな大型事業がどんどん拡大しています。そのためツケは県民に回され、各医療費助成の所得制限を厳しくしたり、私学の授業料補助を削減する等々福祉や教育の予算を削っています。
 ですから、ムダな大型事業をやめさせ、県民の福祉や教育を守るためにも日本共産党の躍進で安倍暴走政治をストップさせましょうと訴えました。

 もう一つ、各政党の立場にも言及しました。
 兵庫県議会は自民、公明、民主が「オール与党」を構成し、神戸市議会では、維新の党や新しくできた地域政党「神戸志民党」も自民、公明、民主とともにれっきとした「オール与党」になっています。
 国政では対立しているかのように見えるこれらの党ですが、よく見ると対立はありません。民主党は消費税増税を決めた張本人なので増税中止とは言えませんし、兵庫1区に立候補する井坂さんという維新の現職は「日本を稼げる国へ」というキャッチフレーズで、安倍政権と全く同じ立場です。
 こうした安倍政権と対決の足場がない野党の姿が最もよく表れているのが、自民党とがっちりと肩を組んで知事や市長の提案に「何でも賛成」の「オール与党」を構成している地方議会なんですね。
 ですから、総選挙で民主や維新でもいいのではと迷われた時は、兵庫県議会や神戸市議会での彼らの姿も思い起こしてほしいと思います。
 そして、国政でも地方でも自民党政治とキッパリ対決を貫く日本共産党を伸ばしていただくようお願いしました。

 東灘は去年の参院選では比例票が第3党でしたが、維新に負けていました。今回は公明も民主も維新も上回って自民に肉薄するくらいの比例票を獲得し、堀内さんを含む近畿比例4人を必ず国会に送り出すこと、小選挙区も互角のたたかいをして筒井さんの勝利をめざそうとを訴えました。
 そして、私も頑張り抜くことをお誓いしました。

 松本のり子市議が入党や赤旗購読、募金をよびかけ、西ただす市議が司会をしました、

 100人が参加され、カンパが9万円も寄せられました。みなさん「必ず勝とう」「ぜひ伸びてほしい」という熱気がこもっていました。躍進の大チャンスです。

 やるぞ~。

私も訴えました


声援にこたえる(左から)堀内さん、宮本さん、つついさん=24日、御影公会堂


2014年11月22日土曜日

解散

 今日(11月21日)、衆議院が解散しました。12月2日公示、14日投票でいよいよ総選挙です。

 私ども日本共産党は、安倍暴走政権と対決するとともに、消費税に頼らない別の道(富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革。大企業の内部留保を活用し、国民の所得を増やす経済対策で税収増)で社会保障充実、財政再建をはかることなど、抜本的な対案を掲げて選挙戦をたたかいます。

 今日は東灘区御影山手の8か所で街頭演説し、阪神深江駅前でも宣伝。どこでも激励が寄せられ、ビラの受け取りがとてもいい。特にサラリーマンの反応がいいです。

 必ず躍進するために頑張ります!


 <お知らせ>
 11月24日(月・休)午後3時から御影公会堂で、宮本岳志衆院議員が弁士になって党演説会が開かれます。

 宮本さんは、国会の生々しい状況を交えて日本共産党が大きくなる意義をお話されます。
 つつい哲二朗兵庫1区候補、松本のり子、西ただす両神戸市議、そして私も訴えます。

 総選挙勝利への跳躍台となる大事な演説会です。こぞってお越しください。





2014年11月20日木曜日

学童保育、借り上げ住宅で知事に要求

 日本共産党県議団は11月5日、井戸敏三知事に、来年度予算編成について申し入れをしました。遅くなりましたが、ご報告いたします。

 要望は604項目にわたります。
 主なものでいうと、▽消費税10%や社会保障改悪に反対する▽子どもの医療費を県の制度として義務教育終了まで無料に▽35人学級を拡大▽一人親家庭や老人医療費助成の本人負担金や所得制限を改悪前に戻す▽南海トラフ地震の津波に備えて地域防災計画の見直し―などを求めました。

 各会派、持ち時間は45分。まず宮田政調会長が全体の特徴と主な内容を説明し、その後各議員が約5分ずつ、特に強調したいことを訴えるのですが、私は、学童保育への支援と借り上げ住宅問題を取り上げました。

◆学童保育について

 学童保育については、私自身も小学生の子ども2人を預けている地域方式の学童保育所が、保護者と指導員が苦労しながらもていねいな保育を実施して重要な役割を果たしていることを紹介し、▽地域方式学童への助成金増額、家賃の実額補助▽6年生まで助成対象に▽放課後子ども教室と放課後児童クラブ(学童保育)は一体化しないこと―を井戸知事に直接訴えました。

 知事は、「学校に空き教室があるのに、学童保育はわざわざ外に部屋を借りて、定員も少なく無駄なことをしている」「一体化はしなくてはいけない」と一体化推進の立場で話しつつ、「基準も全然違う2つの事業だから一体化は無理でしょう」と答えました。

 放課後子ども教室と学童保育は役割が全然違いますので、両立させ、それぞれを拡充すべきです。
 実際、一体化を先行実施している全国の自治体の例では、子どもの人数がすごく多いのに指導員・スタッフが少なすぎて、とても保育とはいえないなどの実態があります。一体化はやめるべきです。

 助成金の増額については、知事は言及しませんでした。

 引き続き、学童保育の充実を求めてまいります。

◆借り上げ県営住宅の退去問題について

 借り上げ住宅問題は、公営住宅法25条にある退去させる場合の事前通知義務について、県は、入居10日前の鍵渡し時に20年後の退去を記述した「入居のしおり」を配ったので義務は果たしていると正当化しています。この点をただしました。

 私は、国交省監修の「公営住宅法『逐条解説』」では、入居者保護の観点から、期限が来れば退去することと、その退去時期を明記し、退去を予測することができることが必要であり、募集のパンフレットにその旨を書いていることが好ましいと述べていることを示し、「『逐条解説』ではそこまで書いてあるのに、入居決定後でしかも入居10日前の鍵渡し時に『しおり』を渡して事前通知しましたなどと言うのは、到底通用しない」と強く批判しました。
 継続入居の可否を判定する第三者委員会である判定委員会が個別の事情を検討して決めるなど県は柔軟に対応するとしていますが、私は、委員会では徹底して柔軟に対応することを求めるとともに、「事前通知をしたとはとても言えない状況で、そもそも退去を迫るのは道理がない」と迫りました。

 すると井戸知事は私の発言を途中でさえぎり、「事前通知が必要なのは公営住宅から出ていってもらうときだ。この場合、住み替え先として公営住宅をあっせんしているのだから事前通知はいらない」と、新たな論を持ちだしました。
 一方で、「だけど柔軟に対応しますから」とも答えました。

 私は他の議員の皆さんがやりとりしている間に『逐条解説』をめくり、事前通知は住み替え先として公営住宅を用意することを前提にしている、という旨の記述を見つけました。
 つまり、借り上げ県営住宅から入居者を退去させて別の公営住宅に住み替えさせる場合、事前通知が当然必要ということであり、知事の新説は全く成り立ちません。

 共産党の持ち時間が終わり退席する前に、知事のところに行って、『逐条解説』のその箇所を見せて説明すると、知事はフンフンという感じで聞き、何も言いませんでした。

 議員1人1人でいえば知事と議論する時間は短いのですが、学童にしても借り上げにしても、当事者の切実な願いとその正当性は伝えることができたかなと思います。

井戸知事(手前左)に要求するきだ結(正面左)=11月5日

2014年11月19日水曜日

決算委員会で質問5 県立こども病院など

 10月17日には決算特別委員会・病院局審査があり、今回の決算委員会では最後となる5回目の質問をしました。県立こども病院と柏原の新病院についてです。
 ここでは主に、こども病院をめぐるやりとりをご紹介します。 

 現在、丹波市にある県立柏原病院と柏原赤十字病院の機能を統合し、新病院にする計画がすすめられています。
 住民代表も入った懇話会で、いま4か所の移転候補地が示されており、次回の懇話会で建て替え候補地を決める予定です。その建て替え候補地を盛り込んだ基本計画についてパブリックコメントがおこなわれる模様です。

 一方、患者や住民の意思を聞くことなくすすめられてきたのが、県立こども病院の移転建て替え、特に移転先の場所についてです。
 こども病院の場合、住民や患者向けに移転候補地を明らかにし、意見を吸い上げることはしていません。厚労省には、ポートアイランドに移転予定であると明示して地域医療再生計画を申請していたにもかかわらず、パブリックコメント募集時の基本計画には移転場所を伏せていました。

 私は、「同じ病院局の事業とは思えないほど対応に落差がある」と指摘し、移転場所が海に囲まれた人工島で防災上問題があること、移転ありきで候補地を最後まで県民の前に開示せずすすめてきたことに、強く抗議しました。

 さらに、「こども病院連絡会」の皆さんがことし春におこなった、患者さんを中心にしたアンケートの結果を紹介しました。
 それによると、通院中の方106人、かつて受診したことのある人53人の回答計159人のうち、84%の134人が「説明はうけていない」と回答しています。また80%の人が「ポートアイランド移転に不安を感じる」と回答しています。
 病院局は、患者・家族に対する説明会を病院内で2回しかおこなっていないんですね。しかも案内は病院内に掲示しただけ。そのため、説明会には48人にしか参加されていません。

 私自身、先月、病院近くに立ってアンケートをしました。驚いたことに、いまだに移転について「知らなかった」「初めて聞いた」「まったく説明をうけていない」という声をたくさん聞きました。
 「姫路から孫を受診に連れてきているが、遠くなって心配」などの声もありました。

 私は、「柏原では地域の声や要望を聞くことが大切だと言っている。こども病院でも患者さんに説明し、不安の声を聞くことが第一ではないのか。いまからでも、患者アンケートをして、意見を反映させるべきではないのか」と要求しました。
 これにたいし県当局は、「(移転については)広報に努めて周知を図り、引き続き広くご意見をお伺いしていく」と通り一遍の答弁で、「アンケートは必要ない」と開き直りました。その一方で、「(こども病院連絡会の)アンケートの調査を無駄にしないよう努める」と答えました。

 こども病院は現在、移転先のポートアイランドで新築工事が行われており、来年開院予定です。
 私は、「病院に現に通っている人たちが、現時点でも病院が移転するという重大問題を知らない、知らないまま事が進んでいるというのは本当に異常なことだ」と告発し、再度、患者の不安を聞き、意見を反映させるよう訴えました。

2014年11月18日火曜日

沖縄の心

 沖縄県民は屈しなかった――。

 投票日から2日後で恐縮ですが、沖縄県知事選の翁長雄志さんの勝利は本当にうれしいです。

 米軍普天間基地に代わる名護市辺野古への新基地建設の是非が問われました。
 保守・革新の垣根を越えた「オール沖縄」の代表として新基地断固反対を掲げ、日本共産党が支援した翁長さんは、自民党が推す仲井真弘多知事に10万票差をつけて圧勝しました。
 県都の那覇市長選でも同じ立場の城間幹子さんがほぼダブルスコアで大勝。3つの県議補選(定数1)でも2選挙区で共産党の方が超党派で推されて当選しました。
 
 戦後一貫して米軍基地に苦しめられてきた沖縄ではずっと、「新基地ノー」が大多数の県民の世論であり、各議会も議員もその立場で、まさに「オール沖縄」の声でした。
 ところが昨年、沖縄選出の自民党国会議員をはじめ同党県連の一部は、安倍政権の圧力、恫喝に屈服し、態度を翻しました。
 それに続いて仲井真知事が昨年末、3500億円近い「沖縄振興予算」を安倍首相から示されて、新基地建設を承認しました。「振興策」と引き換えに普天間基地「県外移設」の公約を裏切ったのでした。

 しかし、県民は屈服しませんでした。
 今回、きっぱりと「新基地ノー」の審判を下し、「心を売り渡さない」という誇りと尊厳を改めて示しました。本当に感動的です。

 県知事選の結果は安倍政権にとって大きな痛手になりました。
 一方、民主党は何も主張できず自主投票で、存在感が全くなかったですね。

 次の焦点は解散・総選挙です。

 今晩、安倍首相が解散を表明するそうですが、沖縄の快挙に続いて日本共産党の躍進で、集団的自衛権容認で「戦争する国」づくり、原発推進、消費税増税など暴走する安倍政権を退陣させましょう。
 来年4月にある私の選挙(いっせい地方選)にも大きく影響しますし、全力で頑張ります!

2014年11月15日土曜日

決算委員会で質問4 特別支援学校・奨学金

 10月16日の決算特別委員会・教育委員会審査で、4回目となる質問をしました。
 特別支援学校の充実と、給付型奨学金制度についてです。

◆特別支援学校について 

 兵庫県では視覚・聴覚・肢体・病弱の特別支援学校在籍児童・生徒数は横ばいである一方、知的障害特別支援学校の在籍児童・生徒数は直近2011年度3711人、2012年度3901人、2013年度4039人と年々増加し、2018年度まで増加する見通しとなっています。

 神戸市、阪神地域、東播磨は増加が顕著ですが、環境整備が追いついていません。
 神戸市東部の児童生徒が通う神戸市立青陽東養護学校の通学区域が来年から変更され、東灘区の一部の区域(本庄・魚崎・本山南中学校区)は県立芦屋特別支援学校の区域となりますが、この県立芦屋特別支援学校はいまでも特別教室を普通教室に転用しています。さらに来年からの新規受け入れのためにプレハブ校舎を建設する予定です。

 やむをえないとはいえ、いかにも便宜的に詰め込んだ感のあるプレハブの校舎では、子ども本人や父兄はどう受け止めるでしょうか。

 こうした事態が起きる大きな要因として、特別支援学校の国の設置基準がないことが挙げられます。
 面積、教員の配置など自治体の裁量・判断にゆだねられています。

 そこで、県は国に対し特別支援教育充実のために設置基準をつくることを求めるとともに、県独自でも教育環境をよくするために、プレハブではない特別支援学校の整備をすすめるよう強く要求しました。

◆奨学金について

 次に高校卒業者向けの奨学金について取り上げました。

 9月26日付けの各紙は、2012年度に大学や短大を中退した学生のうち、経済的理由が20・4%で最も多かったという文科省の調査結果を報道しました。前回2007年度の調査では経済的理由が14%で、6・4%増えています。

 このように経済的困窮が進行するなかで、現在、大学生の2人に1人が、日本学生支援機構などの奨学金を借りています。
 平均的なケースで4年間で約300万円、多い場合、大学院進学などの場合には1000万円という多額の借金を背負い、卒業と同時に借金返済に追われる事態が生まれています。

 しかし、非正規雇用の増大などで卒業後の雇用・収入は非常に不安定で、大学・短大などを卒業した30~50代の3分の1以上が年収300万円以下(総務省就業構造基本調査)。このもとで返済を続けるのはとても厳しくなっています。滞納が3カ月以上続けば金融の「ブラックリスト」に載せられます。

 その一方で、「多額の借金」を恐れて奨学金を借りたくても我慢する学生も増えています。いま、テスト前にも休めない、ブラック企業ならぬ「ブラックバイト」が問題になっていますが、バイトをやめられない一因もここにあります。

 兵庫県立大学では全学生の44%が奨学金(日本学生支援機構)を借りています。私の地元の甲南大学では半数近い学生が奨学金を借りていて、卒業後に滞納すれば、日本学生支援機構から大学に通知がくるということです。
 担当者は、「仕事が不安定で収入が少なく、支払が困難な様子が手に取るようにわかり、非常にかわいそうに思う」とおっしゃっていました。

 事態はきわめて深刻です。

 雇用の改善や賃上げで働く人の所得を増やして景気回復させることが大道ですが、日本だけという、返済しなければいけない奨学金制度も改革しなくてはなりません。返済しなくていい給付型の奨学金こそ必要です。
 私は、「県は、国に対して給付型奨学金の創設を求めるとともに、県独自でも給付型奨学金制度を創設すべきだ」と迫りました。

2014年11月14日金曜日

決算委員会で質問3 土砂災害・借り上げ住宅

 10月15日に開かれた決算特別委員会・県土整備部審査で、3回目の質問をしました。テーマは2つです。

◆急傾斜地崩壊対策事業について

 1つは土砂災害対策・「急傾斜地崩壊対策事業」についてです。

 8月に広島市北部で起きた大規模な土砂災害は、その恐ろしさをまざまざと見せつけました。

 兵庫県は、全国で4番目に多い2万169カ所を土砂災害警戒区域に指定し、そのうち急傾斜地1万3177カ所、土石流危険箇所6845カ所、地滑り207カ所が指定されています。
 その中で神戸市は、県内で最多の2175カ所の土砂災害警戒区域、急傾斜地指定は1702カ所です。
 六甲山は、広島市北部と同じく、花崗岩が風化した「まさ土」で覆われていることから、山すその住宅地で「ここは大丈夫か」と心配する声が多く寄せられています。私の地元の東灘区住吉台でも8月の豪雨でがけ崩れが起き、巨石が通学路に転落する事故が起き、渦森台北部の山中でも土砂崩れが起きました。

 県内の「急傾斜地崩壊危険箇所」のうち人家5戸以上等の要対策箇所は、現在3849カ所あります。
 ところが、現在の県の計画では、人家保全対策は砂防と急傾斜合わせ5年間で350カ所しかありません。平均で1年70箇所しか防災工事をしないとは、全く追いつきません。
 これでは山すそに住む方がたは、長期に渡って危険にさらされます。

 そこで私は、予算を増やして計画も大幅に見直すよう強く要求しました。しかし明確な答弁はありませんでした。

 「急傾斜地崩壊対策事業」の住民負担についてもただしました。

 これも私の地元・住吉山手で昨年9月の豪雨で、集合住宅の敷地内でがけ崩れが起きました。
 「急傾斜地崩壊危険区域」であったことから、「急傾斜地崩壊対策事業」として事業採択され工事が実施されました。
 しかしその際神戸市は全く負担せず、受益者負担として事業費の2割・460万円が住民負担となりました。そのため、大規模改修などのための積立金を大幅に取り崩すことになります。

 全国では、市町村に受益者負担を求めず都道府県がその分負担をしているのが、大阪府、北海道、富山県、福岡県、沖縄県の5つ、住民に受益者負担を求めず市町村が負担をしているのが869市町村あります。
 私はこれらを指摘し、「兵庫県も市町村分を負担するか、あるいは市町が負担する場合の支援制度をつくり、住民負担をなくすべきだ」と県当局に迫りました。

 これも、「受益者に負担を求めるかは市町の判断」などと消極的な答弁でした。

 しかし、危険な現状と甘い対策をそのままにしておく訳にはいきません。土砂災害対策は、引き続き追及していく必要があります。

◆借り上げ住宅問題について

 もう一つは、県がUR借り上げ復興県営住宅の入居者に退去を迫っている問題です。

 県はこの間、終の棲家として継続入居を願う入居者の方々の切実な声に押され、全員退去の方針から、住み替え困難な実情があることを認めて一定の条件のもと継続入居を認める方針に転換しました。80歳以上は概ね継続入居可能となりました。
 ことし6月にはさらに条件を広げ、継続入居を認める対象を拡大しました。大きな変更点は、今まで継続入居不可としていた75歳未満の人たちも、特別な事情があり判定委員会が認めた世帯については継続入居を認める、というものです。

 しかし現在の県の基準では、75歳以上(概ね79歳まで)は継続入居の可否の判定にあたって考慮するとしている「社会関係性」「コミュニティ」は、75歳未満は考慮するとは明記されていません。
 私は「県自身が、阪神・淡路大震災の教訓として地域のコミュニティがいかに大事かを一貫して訴えている。75歳未満はそれを考慮しないのか。すべきではないか」と追及しました。

 これに対し県当局は、基準を読み上げるだけで、考慮するとは言いませんでした。しかし考慮しないとも言いませんでした。肯定も否定もしない微妙な答弁でしたが、この点は入居者にとって大事ですので、引き続き注意を払いたいと思います。

 また、「個別の事情をよく聞き、きめ細かく弾力的に対応する」と知事が約束しているのに、継続入居可能な85歳以上の方にまで住み替えあっせんの資料を送りつけているなどのやり方を強く批判しました。

 さらに県当局が「20年の期限は最初からあった」など、これまで繰り返してきた追い出しの論理をまた述べたので、借り上げ復興住宅は当初恒久住宅として提供され、後に退去方針に転換したことを指摘し、「20年の期限は入居決定時に被災者には知らされていない。公営住宅法では第25条2項で入居者保護の観点から入居する前に、退去すること、退去時期を予測できるようにしておくこと(事前通知)を規定している。しかし県は応募の時点から入居許可の時点まで一切そのことを記載していない。期限を承知して入居していない限り、退去を強要することはできない。いまいる方全員の継続入居を認めるべきです」と訴えました。


決算特別委員会・県土整備部審査で質問するきだ結(10月15日)

2014年11月13日木曜日

決算委員会で質問2 イノシシ問題

 10月14日には決算特別委員会・農政環境部審査があり、いま私たちがとりくんでいる六甲山山麓市街地のイノシシ問題をとりあげました。

 神戸など市街地でのイノシシによる人身被害は近年深刻になっています。
 東灘区では区役所に連絡があった分だけでも、2012年度12件、2013年度24件、今年度は4月~8月だけですでに37件と多発しています。

 このもとで私は、▽一番の要因である餌付けを意識的にしている人はほんのごく一部でほぼ特定されているので、対策は餌付け禁止を一般的に強調するだけでなく、該当者の個々説得をすべきであること、▽岡本地域などでは夜に通行人がイノシシと遭遇することが多く非常に危険なので、夜間・休日も含め追い払いをする体制の強化、▽増えすぎているイノシシの頭数の適正管理のため、調査と、頭数の推計方法確率―などを求めました。

 さらに、県が市街地イノシシ被害問題の位置づけを抜本的に高め、1県民センター(旧県民局、地域施策に関わる県の機構)の1部署に兼務させるのではなく、本庁が統括的な役割を果たすよう強く要求しました。

 県の六甲山イノシシ被害対策の現状は、森林動物研究センターが専門的な研究や技術的な助言をし、実際の施策は神戸県民センターの神戸農林振興事務所林業課が兼務で行っています。
 しかし、西宮や芦屋でも被害が起きるなど広域化しており、阪神南県民センターでも有害個体の捕獲事業を行っています。
 また来年5月から施行される「鳥獣法」の改定に向けて中央環境審議会が出した答申では、都道府県の役割について、市街地住宅地での被害対策として、個体群管理、生息環境管理の目標設定と目標達成を主導的・主体的に実施することを求めています。つまり県は、統括的な役割が求められています。

 具体的には、▽本庁に市街地イノシシ被害対策の専任職員配置、▽各県民センターの事業の経験を全県的に普及、▽森林動物センターとの情報交換を密にし各県民センターに普及する、▽市町との連携、対策会議―などで、全県的な市街地のイノシシ被害対策の推進を求めました。
 十分な予算も確保し、例えば、中央区に一部設置されている防護柵の効果が実証されれば各地に設置できるようにすべきだと訴えました。

 しかし県当局の答弁は、「本庁は全県にまたがる問題を施策として取り組み、イノシシは地域特有の問題」と、本庁の取り組みは必要ないとの態度でした。
 一方、防護柵は「効果を検証して必要があれば、予算は国の事業の効果的な活用を検討したい」、また「法改正をふまえて、住宅地に出没するイノシシの餌付け等についてもきちっと対策しなくてはいけない」と、少しましな答弁もありました。

 私は、神戸県民センターの会合では常に神戸のイノシシ問題を訴えてきましたが、議会で取り上げたのは今回が初めてです。
 住民の世論があり、議会でも質問を重ねれば、行政は動くことが多くあります。その意味で、初回としてはまずまずのやりとりだったかなと感じています。

 そしてやはり、署名を広げるのが一番の力ですね。

2014年11月12日水曜日

決算委員会で質問1 認知症・子ども医療費・看護師確保

 10月7日から21日まで兵庫県議会の決算特別委員会が開かれ、日本共産党は私とねりき恵子県議が質問・追及しました。

 少し古くて恐縮ですが、私の質問の要点を5回に分けてご紹介していきます。一度本ブログに掲載したものですが、一部修正して改めてアップし直します。
 インターネットで録画も見れますので、こちらからご覧ください。

◆認知症対策について

 10月9日は健康福祉部審査でした。私はまず認知症対策を取り上げました。

 認知症は、予防とともに早期受診により進行を大幅に遅らせ、その後の生活をずいぶん改善させられることがわかってきました。
 しかし課題は、異常に気づいてから受診まで時間がかかっていることです。
 もっと多くの方々が早期受診できれば、と切に願います。

 そこで、県がおこなっている電話相談事業の曜日や時間の拡充と、早期受診を促す取り組みの強化を求めました。

 県当局は「電話相談の一層の普及を図る。曜日・時間の拡充など検討する」と前向きな答弁でした。

◆子どもの医療費助成について 

 続いて乳幼児・こども医療費助成の所得制限の問題で訴えました。

 県民の皆さんの世論と運動と私ども共産党の取り組みによって、子どもの医療費助成の県制度は中学卒業にまで広がりました。(ただし県制度は無料ではありません。市・町が上乗せして無料化が広がり、県下24市町が中3まで無料です)

 しかし、県「行革」で県の所得制限が一段と厳しくなり、全国ワースト5位となっていて、助成を受けられない世帯がたくさんあります。(これも上乗せで緩和している市・町があります) 

 私は「県として所得制限をやめて全員を対象に。本人負担は無料に」と求めました。
 県当局は「自己負担・受益者負担は必要」「受益と負担のバランスの問題」と、毎度おなじみの答弁でした。

 しかし全国的には所得制限はもっと緩かったり、ないところが大勢です。引くわけにはいきません。これからも中学卒業まで所得制限なしの医療費無料化を要求して参ります。

◆看護師確保のために

 この日の3つ目に、県が「行革」で廃止した看護学生むけ奨学金制度の復活を迫りました。

 看護師不足に悩む多くの民間病院の声と看護師を志す学生の願いを伝え、対策を要求しました。

 看護学科は一般より学費が高く、奨学金の貸与が増加傾向です。甲南大学看護学部、県立大学看護学部によると、学生の半数は日本学生支援機構の奨学金、しかも多くが有利子の奨学金を借りています。
 最高で卒業時に576万円もの借金を背負うことになり、国家試験に合格し、晴れて看護師として働くその日から借金の返済に追われる事態がつくられています。

 そこで、学生の負担軽減と地域医療を担う人材確保のために、廃止した「看護師学生等修学資金制度」の復活か、民間奨学金の返済を免除する制度を創るべきだと訴えました。

 「看護師学生等修学資金制度」とは、病床数200床以下の民間病院など指定施設で5年勤続すれば返済が免除される県の奨学金事業です。全国41都道府県で同様の事業が実施されています。兵庫県は何という冷たさでしょう。

 これも県当局は答弁で拒否しましたが、実現するまで頑張ります!

演説会にぜひお越しください

 あと5か月と迫ったいっせい地方選勝利へ、各地で日本共産党演説会が開かれています。
 演説会は、いっせい地方選へ向けてとても大事ですが、取りざたされている解散・総選挙がもし実施されれば、いよいよ大きな意義があります。

◆11月24日(月・休)午後3時から御影公会堂で、宮本岳志衆院議員が弁士になって演説会が開かれます。

 市・県議選をたたかう松本のり子、西ただす両神戸市議、そして私も必勝めざして訴えます。

 4年前も宮本さんに来てもらって演説会をおこない、3人全員当選の流れをつくりだしました。宮本さんはスケールの大きな、聴衆を惹きつけるお話をされる方です。

 ぜひ超満員で成功させましょう。

◆そして、12月5日(金)に志位和夫委員長が神戸に来ます!
 午後6時30分から長田区の県立文化体育館です。

 志位さんは、安倍政権による「亡国の政治」を終わらせ、新しい日本を開く展望をズバリ語ります。

 また私をはじめいっせい地方選の候補者が勢ぞろいします。

 いっせい地方選の帰すうを決めるかもしれない、決定的な大演説会です。多くの皆さま、こぞってお越しください。

2014年11月11日火曜日

消費税10%増税ストップ

 来年10月からの消費税10%へのアップをめぐって、いよいよ反対の世論が高まっています。
 増税を強行したい安倍政権が追いつめられ、この問題で解散・総選挙という話まで浮上しています。 

 消費税の8%増税で日本経済は激しく落ち込んできています。
 4~6月期のGDP(国内総生産)は年率マイナス7・1%となり、特に家計消費はマイナス19・5%と20年来で最大の落ち込みとなりました。
 9月の実質賃金指数(現金給与総額)は前年同月比で2・9%低下し、15カ月連続マイナスになっています。

 
 「アベノミクス」の大失敗は明らか。このうえ10%にするなんて自殺行為そのものです。
 「福祉のため」という口実も、年金、介護をさらに削減しようとしていること一つとっても、虚偽であることは明々白々です。

 10%への増税をやめさせるためには、来年のいっせい地方選で、消費税大増税を決めた自民、公明、民主の「増税3兄弟」に厳しい審判を下さなければいけません。

 同時に、「増税をきっぱりと中止し、消費税に頼らない別の道で財源を確保する」という立場の私たちと、「増税は容認するが、いま増税するのはよくない」という凍結・先送り論を唱える人たちとは、「来年10月から10%にするのはよくない」という接点があります。
 ですからいま、「来年10月からの10%増税はストップを」という共同を広げることが大事です。
 大増税ストップへ、この一点共闘を大いに広げましょう。

2014年11月7日金曜日

やまびこの郷

 10月29日から31日までの3日間、文教常任委員会の管内調査で但馬・丹波地域への出張でした。

 最終日の視察先の1つは、全国唯一の公立の不登校支援施設、県立やまびこの郷(朝来市山東町)でした。
 不登校の小学生、中学生が4泊5日の集団生活をする宿泊体験活動をはじめ、保護者・教員の相談、研修を行うセンター的役割を担っています。

 先日は、文教常任委員会の特定テーマ調査として、フリースクールの主宰者、不登校から考える親の会の方たちに来ていただき、実情を聞き、意見交換させていただきましたが、不登校状態になったときの相談窓口、居場所はたくさんあればあるほどいいと思いました。

 この日は宿泊体験の日ではなかったので、子どもたちはいませんでしたが、施設見学、質疑をしました。

 “やまびこの郷だより”が、不登校を理解し、当事者になったときにも救われる、非常にいい内容でしたので、年1回は小中学校の全世帯へ配布してほしいと要望しました。



やまびこの郷の建物

イノシシ被害相次ぐ

 この間、シンポジウム、署名運動など被害をなくす取り組みをすすめているイノシシ問題ですが、最近も被害の情報や相談が相次いでいます。

 2週間ほど前、共産党の松本のり子市議に知り合いの女性から被害に遭ったという連絡がありました。
 その方の言うには、東灘区西岡本でイノシシに襲われ、買い物袋を引っ張られて転倒し、骨折したとのこと。その方が路上でうめいているすぐそばで、イノシシは奪い取った巻き寿司を食べていたそうです。想像するに恐ろしい光景です。

 9月のシンポでパネリストの横山先生は、「イノシシは本来警戒心が強く人を見ると逃げるけど、神戸に出没するイノシシは人を恐れず向かってくる」とおっしゃっていましたが、まさにその通り。 

 1週間前には、私の地元の渦森台の団地で、「イノシシに植栽が何度も掘り返されて困る。何とかならないでしょうか」という相談が、たて続けに2件ありました。
 すぐに県民センター(県民局)と区役所に連絡し、神戸市が委託している民間のパトロールに回ってもらうことになりました。見つけたら追い払ってもらうのですが、夜10時で終わりで、夜行性のイノシシにどこまで効果があるか…。

 これらの例は、住民の皆さんが共産党のとりくみを大分知るようになって、だから私たちに連絡が来るようになったのかもしれません
 逆にいえば、本当に被害が頻発しているのが実態だということでしょう。

 やっぱり行政の力を結集しなければ解決しません。そのためには県・市に要望している署名を大きく広げることが大事ですね。

国民融合全国会議総会であいさつ

 国民融合をめざす部落問題全国会議(略称・国民融合全国会議)の第40回総会が11月2日に神戸市三宮の勤労会館で開かれ、私が来賓あいさつするという栄誉(?)に恵まれました。

 
 本ブログ読者の方は、同団体を知らない方が多いと思いますが、国民融合全国会議とは、1974年に兵庫県八鹿町(現養父市)で起きた「部落解放同盟(解同)」による教員への凄惨な集団リンチ事件、「八鹿高校事件」を契機に75年に発足した団体です。

 事件当時、現地住民、高校生、全国の民主勢力による暴力を許さない大闘争が起き、「解同」は追いつめられます。その先頭に立ったのが日本共産党ですから、同団体とは深い縁があります。
 本来、共産党は国会議員の方があいさつするところですが、東京の開かれた「赤旗まつり」などがあり、代わって私があいさつすることになりました。

 この分野の知識があまりなかったのですが、党県議団事務局の人から色々と教えてもらって、勉強しながらあいさつを考えました。

 参考までにあいさつの要旨を以下、ご紹介します。、

 国民融合全国会議第40回総会に全国からお集まりの皆さん、日本共産党を代表して連帯のごあいさつを申し上げます。本日は、党の国会議員が、現在開催している「赤旗まつり」などで都合がつかず、代わって私、兵庫県会議員きだ結が参りました。

 1974年にこの兵庫で起きた「県立八鹿高校事件」が大きな契機の一つとなって、国民融合全国会議が1975年に創立されて以来40年間、「部落解放同盟」などによる不当な同和利権をなくし、
部落問題の解決のための正しい道筋と運動の探求を、粘り強く続けてこられた皆さんに心からの敬意を表します。

 2002年に国の同和対策事業は終了し、「同和行政」を終結した自治体がある一方、引き続き不公正な同和行政・教育に固執している自治体もある状況です。
 兵庫県では、「八鹿高校事件」後の1976年、当時の坂井時忠知事名で通達が出されました。兵庫県が「解同」べったりで県下に窓口一本化などを強力にすすめてきたことなどについて、「行政が主体性を失する事態があったことを反省し、行政と運動との立場を区別」すると明確にしたものでした。
 これに基づき正常化がなされていき、同和対策予算でいえば1974年は一般会計の3・7%を占めていたのが今年度でいうと0・025%になっています。

 また同通達に基づいて県は解同の集会などへの参加を見合わせてきましたが、現在4期目となる井戸敏三県政になって、知事選挙での支援団体としての位置づけが明確になり、解同の集会に県幹部がパネリストとして参加するなど逆流も起こっています。
 県議会でわが党がこれを取り上げ、「通達の方針と矛盾するのではないか」と追及すると「新しい連携だ」と言い訳しつつ「通達の基本方針は変わらない」と答弁しました。

 逆流を許さないために、1976年の坂井知事通達を県に守らせることが課題となっています。

 40回の節目の開催となる総会が実りあるものとして成功されるよう、心からご祈念いたしまして、連帯のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

2014年11月5日水曜日

40人学級復活?

 驚きました。

 財務省が、公立小学校1年生の35人学級を40人学級に戻すよう文部科学省に求める方針を財政制度等審議会(財務相の諮問機関)に示しました。

 35人学級は、広範な教育関係者と国民の長年の運動によって実現したものです。国レベルの小学校1年生の35人学級は、2011年に義務教育標準法が改正され、31年ぶりに学級編成基準が改善されたことにより実現しました。
 子どもたちに行き届いた教育をすすめるためには少人数学級が不可欠であることは、政府も含めてすでに国民的な合意となっています。
 兵庫県では、小学校4年生まで35人学級です。
 それをいまさら40人学級とは…。

 こんなとんでもないことを考える財務省の官僚の頭の中はどうなっているのでしょうか。
 財務省は、小学校全体のいじめの認知件数や不登校、暴力行為の件数に占める小1の割合を、35人学級導入前の5年間と導入後の2年間について比較し、導入の前後でほとんど変わらないというデータを持ち出し、35人学級には「効果がない」と決め付けています。

 しかし、子どもの不登校や暴力行為には貧困や競争教育の影響などさまざまな要因・背景があり、学級人数の問題だけでは把握できません。
 導入直後のわずか2年間だけのデータで「効果がない」と結論づけるのは強引です。
 国に先立って少人数学級を実施した府県の調査では、明確に不登校や欠席者が減ったとの結果も出ています。いじめの認知件数がやや増えているのは、学級の人数が減って教師の目が行き届くようになり、むしろいじめが発見しやすくなった結果ではないかとの指摘もあります。
 財務省が都合よく見えるデータを探し出してきた疑いがあります。

 「きめ細かな指導という意味で35人学級のほうが望ましい」(下村博文文科相)というのが、国民の常識でしょう。

 財務省は40人学級に戻せば、教職員4000人を削減でき、86億円を減らせるとしていますが、財政難だというなら、大企業減税やムダな大型公共事業こそやめるべきです。
 日本の教育への公的支出のGDP比は経済協力開発機構(OECD)加盟国で5年連続して最下位。欧米では学級編成の基準は20~30人です。

 日本政府がやるべきことは、小1の35人学級の維持はもちろん、全学年に広げ、さらに30人学級へと前進すること。兵庫県でも直ちに小中全学年に広げなくてはいけません。
 子どもたちにこそお金をかけるべきです。

沖縄県知事選

 名護市辺野古への米軍新基地建設の是非が最大の争点となっている沖縄県知事選がたたかわれています。11月16日投票です。

 新基地建設断固反対、米海兵隊普天間基地(同県宜野湾市)の閉鎖・撤去、オスプレイ配備撤回を掲げ、沖縄の経済界、保守勢力から日本共産党までが支援する翁長(オナガ)雄志・前那覇市長(64)と、自民党が推し、新基地建設をすすめる現職の仲井真弘多氏(75)との事実上の一騎打ちといわれています。

 私の前の職場である東神戸病院をはじめ民医連からも、多くの人たちがオナガさん勝利のために現地に応援に行っています。
 私も、絶対に勝ってほしいと強く、強く思っています。

 長年に渡って日米両政府が辺野古への新基地建設を沖縄県民に押しつけてきましたが、県民はこれを一貫して拒否してきました。
 安倍政権になってから特に激しく圧力をかけ、仲井真知事は県民を裏切り、新基地推進
に転じました。
 基地を作らせるか否か、知事選挙はまさに天王山のたたかいです。だからこそ自民党・安倍政権は知事選に全力を注いでいます。
 同時に、オナガさんが勝てば、集団的自衛権行使容認、原発推進、消費税大増税など暴走を続ける安倍政権を退陣させる大きな力になります。

 オナガさんは元自民党沖縄県連幹事長でもあります。
 新基地を絶対に許さないために多くの方々が保守・革新の枠を超えて「オール沖縄」で大同団結しました。
 本当に壮大なたたかいになっているようです。1日の演説会には1万5千人もの人が集まり、俳優の菅原文太さんも応援にかけつけました。

 
 追いつめられた仲井真陣営と自民党は、政策を語らず「共産主導の県政にするな」という反共宣伝に終始しているといいます。

 これにたいしオナガさんは、「これ以上の基地押しつけを許さないとの思いは、保守・革新を超えたウチナー(沖縄)のチムグクル(深い思い)を大切にするアイデンティティー(主体性)の大きな流れだ」と反撃していると、4日付の「しんぶん赤旗」に出ていました。
 オナガさんはまた、「沖縄にこれ以上の基地押し付けは許すことができない。これはイデオロギーの問題ではない」「私がそういうと『おまえは共産党か』と言われるが、そうではない。保守は保守でも、私は沖縄の保守だ。そして、共産党も私たちもウチナーのアイデンティティーで、基地はいらないということでは同じなんです」と語っています。すばらしい!

 選挙は激烈な総力戦で、どうなるか全く予断を許さないそうです。

 「沖縄は屈しない」という県民の皆さんの心意気にこたえ、私も本土からできる限り支援したいと思います。